ROCK IN JAPAN FESTIVAL2009を終えて

 今年も夢のような3日間はあっという間に過ぎてしまいました。皆さんと同じようにフェスの余韻を残しながら、僕達も日常の時間の中での仕事を始めています。まだひたちなかに居るスタッフが羨ましいです。今年は10回目、新しい2つのステージ、そして過去最高の5万5千人の参加者等、いろいろな事にロック・イン・ジャパンは挑戦しました。結果たくさんの笑顔に祝福されながら、とても幸福なフェスを作る事ができました。本当にありがとうございます

 ただこの公式サイトのBBSを読んでいただければ分かるように考えていかなければならない課題もたくさんあります。グラス・ステージを埋めつくすたくさんの数の参加者を見ながら、改めて5万5千人という数の凄さを感じました。ひとつの地方都市といっていい数の人間があの空間に集まり、ほぼ1日ライヴを楽しみ、生活する、それは素晴らしい事です。そのエネルギーがあのフェスのテンションを生んでいくのです。と同時に、その5万5千人の人達はそれぞれ違う価値観、行動原理を持った人達です。そこに統一的な価値観やルールを見付けていく事は不可能です。自由という言葉から連想されるイメージも全く違っているでしょう。理想は自然な流れの中でロック・イン・ジャパンのルールが形成されていく事ですが、それは不可能です。ひとつひとつ決断しながらルールは選んでいかなければなりません。今年ロック・イン・ジャパンはダイヴに対して退場というオペレーションを行ないました。モッシュ、ダイヴはどこのフェスでも禁止されています。ただ実際にダイヴをした人を退場させる事までしているフェスはほとんどありません。僕達もこれまでは強く呼びかけるだけでした。しかし、去年のカウントダウンでダイヴによるケガで後遺症が残る被害者が生まれてしまいました。重い事実として僕達は受け止めました。この事実がありながら、これまでどおりのオペレーションで対処していくのは明らかに間違いだし、不誠実であると判断したのです。ダイヴに対してはいろいろな考えがあります。ただこうした5万5千人もの異なった価値観の人達が集まる空間で誰もが納得でき、それぞれの価値観の人が満足するルールを作る事は不可能です。選ばなくては駄目なのです。僕達は参加者の安全、そしてフェスの存続を最も優先すべき事と考え今年のオペレーションを選びました。果してこれが最良の選択であるかどうかは分かりません。僕達はそう信じましたが、間違っているかもしれません。それはこのフェスがこれからどうなっていくかによって明らかになるでしょう。ひょっとすると、こうした選択によって参加を止めてしまう人も居るかもしれません。僕達にとっては悲しい事ですが、一緒に進んでくれる参加者と共に歩んでいくつもりです。ただ、何年か先、そうして去っていった人も、また参加してみようと思ってくれるフェスになっていたいと思います。僕達のフェスも変わっていくでしょうし、そうした人達の価値観も変わっていくと思います。長い大きな物語の中でフェスを考えていきたい、そうした思いを強くしました。モラルの問題もそうです。ゴミを拾わない人、タバコのルールを守らない人、そうした人がもし増えたとするなら、その人達が高いモラルを持てるようにフェスが成長していかなければならないのでしょう。決して逆説的な意味でなく、そうしたモラルの低下に危機感を覚える参加者が居る限りロック・イン・ジャパンは大丈夫です。そうした参加者がモラル・リーダーとなってフェスを引っぱっていって欲しいです。無論、ルールの周知徹底、守らない人への注意という主催者側の努力はもっともっとしていきます。

 今年もロック・イン・ジャパンのチケットはそう簡単に買えるものではありませんでした。参加した方のほとんどはそれなりの努力をし、このフェスに参加したいという強い意志であの場所に立っていたはずです。きっと誰もが誇れるモラルを多くの人が持っているフェスになれるはずです。

 今回も長く書いてしまいました。スタッフからもよく長過ぎませんか、と言われます。自分でもそう思います。より正直に言えば、とてもエネルギーのいる原稿なので、できれば逃げたいと思う事がしばしばです。でも、そうした時に考えるのは自分が参加者だったらどう思うかという事です。僕は主催者からこうしたメッセージが出たら「長げーな」と思いながらも読むと思います。そして、そこに書かれている事を自分なりに判断し、そのフェスに対するかかわり方、行くとか行かないとかを含めて決めると思います。何も言われないより自分で納得できる結論が出せるでしょう。それはメッセージに対しイエスでもノーでも、より納得できると思います。

 フェスはコミュニケーションが信じられなければ作れません。というかコミュニケーションが全てだと思います。

 今年は新たに二つのステージが作られました。6つものステージに参加者の方がちゃんと来てくれるのだろうか、不安がないといったら嘘になります。特に遠いシーサイド・ステージは心配でした。でも、どのステージにも参加者の熱い声援がありました。このフェスは凄いと思いました。今年も本当にありがとうございました。一緒に前に進んでいきたいと思います。次は幕張で待っています。

ROCK IN JAPAN FESTIVAL2009
総合プロデューサー 渋谷陽一


ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2009に参加していただいたみなさまからのアンケートを募集いたします。

期間:8月4日(火) ~ 8月9日(日)23:00

上記期間内にアンケートにお答えいただいた方の中から抽選でROCK IN JAPAN FES.2009オフィシャルグッズをプレゼントいたします。


7/31~8/2にROCK IN JAPAN FESTIVAL2009会場内で、忘れ物、落し物をされた方は、下記までお問合せください。

ご連絡先:ROCK IN JAPAN FES.落し物係 03-5437-6551
受付期間:8月4日(火)~7日(金)12:00~18:00

受付期間外のお問合せには対応いたしかねます。あらかじめご了承ください。

ROCK IN JAPAN FES事務局


7月4日(土)の一般発売にてチケットは全て売り切れました。
ありがとうございました。
当日券の販売はございません。ご了承ください。

ROCK IN JAPAN FES事務局

※先行受付にてチケットをお申し込みいただいた方の、チケット配達日のお知らせはこちら


 例年、チケットのオークション等への出品が多数あります。チケットは転売禁止となっており、当選確認ハガキおよびチケット購入権利がオークションに出品された場合には、この転売禁止規定への違反とみなされて、チケットは無効となります。よって、こうしたオークションを利用することには危険を伴うので、手を出さないでください。Yahoo!に対しては、度々チケットの当選確認ハガキおよびチケット自体の出品に関する問題点を指摘し削除を求めていますが、返答も改善の姿勢もありません。これからも抗議し続けますが、われわれも自衛に努めなければならないと思います。

 今年は当日駐車場を設置いたしません。車で来場される方は、必ず駐車券付き入場券をご購入ください。ご協力をお願いします。

ROCK IN JAPAN FESTIVAL事務局